12: スタンディングオベーション〜赤の潜在能力

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こんにちは、ハルコ。です。

 

去る9/6ご縁があり京都劇場で「スタンディングオベーション」と言う舞台を観てきました。

ジェシーくん、ファンのみなさま無事の千穐楽おめでとうございます。

相変わらず好き放題言っておりますので、一つ優しい目でお読みいただくとありがたく存じます。

 

まず幕が開いてあまりの豪華さに驚きました。ジェシーくんのスター性は疑うべくもないし「少年たち」しか観たことないけど舞台役者だったとしても主役の器だと認めているが、別に舞台を主軸に活躍しているわけでもなく、正直なところ結局アイドル舞台だしなぁってちょっと舐めて掛かってたところがあったのは認めます。

主役がカッコよく見えるように作ってればいいんだろうな、とか色眼鏡ですよねスミマセンはい(殴らないで)

しかし主役のみならず脇役の隅々までどう考えてもエリザやレディベスに匹敵する衣装(興奮していちいち防振でチェックしました)セット、照明、音楽のセレクト、パンフレットも大変豪華で写真も美しく、観劇気分を盛り上げます。しかも最近は作られないことが多いパンフレットを入れるビニール袋も付いてくる(笑)

見終わった後も贅沢で満たされた気持ちで劇場を出ることができました。

 

欲を言えばこれだけ作り込んで会場が京都劇場の規模はちょっと勿体ない気がしました。

割と格式は高いと思いますが、ビルトイン方式の劇場なのであまり大きくはなく、少々窮屈な印象は否めなかったのです。

特に死神のダンスの中にアントラッセという跳ぶパを全員でやるところなどは幅もギリギリでジャンプを調整していたように思います。たぶん全員もっと跳べる。

セットにぶつかるんじゃないかとヒヤリと致しました。

兵庫県立ならオケも入れられたのになあ。(京都劇場も入れられるのかもしれませんが、過去に私が観た演目ではオケが入った事はなかったです)

しかもジェシーくんにはやはり主役のオーラがある。

共演の寺脇さんも180センチくらいある大柄な方で舞台映えする人ですが、ジェシーくんは圧倒的に大きく見えました。それは衣装のせいだけでは無いような。

初舞台なのでコントロール出来なくてオーラが暴れてるっていうか笑

舞台が縦にも横にもぎゅうぎゅう詰めに思えたんですよね。

 

物語の流れは「ブロードウェイと銃弾」をご存知の方は、基本的に同じと思って下さっていいです。「ジョージ二世」という舞台の上演中をめぐるバックステージものです。

ただし主役はブロ銃でいうデイビッド(演出家)ではなく鳴島誠也(主役のアイドル)に視点が変わります。

ジョージ二世の上演中に大物政治家が殺害されるニュースが流れ、犯人が客席に紛れ込んだという情報を得て刑事たちが楽屋に乗り込んできます。

しかしこの舞台が実に奇妙で主役のアイドルは25歳なのに75歳の国王を演じ、息子や娘は芸歴50年の芸に厳しい大物俳優やプライドの高い某歌劇団元トップが演じるという(この辺ニヤニヤしちゃいました。ええんかこんなん言っちゃって笑)不自然な配役なのに演目はコテコテの古典劇で格調高すぎて、客席にいるさすがのアイドルのファンたちも睡魔と戦っているというちょっとシュールな状況。

楽屋ではクセの強い役者や演出家たちが、それぞれが抱えてる事情や思惑もあり、犯人を捕まえにきた刑事2人も加わって、てんやわんやしている。

 

「表でやってることより楽屋で起こってることの方が面白いじゃないか!!」

(刑事=寺脇康文)

 

それなwwww

 

舞台にまつわる大人の事情とか舞台裏のあるあるが散りばめられていて、私などは楽しめたのですが、脚本としてはちょっと詰め込みすぎかと思いました。もう少し要素を減らしてスポットを当てるキャラクターを絞った方がわかりやすい気がしましたが、ソロナンバーのあるミュージカルではなくストプレで、喜劇なのでテンポも早く詰め込めるだけ詰め込んで楽しいものを目指したように思います。

膨大な知識量、何より戯曲をモノする圧倒的な熱量を感じましたので、若い主役を頂いて発信する内容としてはずっしりとした手ごたえがあって私は好きです。

 

何より役者がそれぞれ芸達者ですよね!

ジェシーくんに加え、地球ゴージャス寺脇康文さん、ジュリエットも勤めた新進の若手女優清水くるみさん、元トップ男役の水夏希さん、うん何でこのメンバーでミュージカルにしようと思わなかったんでしょうね!!!!

作曲家も付けたらお金掛かるけどその分チケット代に上乗せするなりキャパ増やすなりしてくれても良かったんですけどね⁉︎

せめてものファンサービス?(劇中でもセリフとしてあるんですが、ホンマにそうだと思う)としてヘンデルのハレルヤを水さんが歌ったりジェシーくんもソロナンバーが1曲あるんですね。

 

ジェシーくんは台詞として喋るより歌う方が得意かもしれないと思います。

劇中歌として歌う歌はいつもパワーがあり、聴いてる私もストンと身体に入ってきました。

ただ台詞に関しては不慣れなだけで、私は彼に可能性を感じました。

とにかく台詞回しのリズム感がいい。

まだ発声も抑揚も洗練されていなくて、ジョージ二世の演技も老人と言うよりも時々ビートたけしさんみたいな動きになってて笑っちゃいそうになるんですが、台詞回しは気持ちよくて見てても苦痛を感じませんでした。

ジョージ二世はシェイクスピアっぽいけど聞いたことないので実在しない戯曲をわざわざ作ったのかもしれません。

それでも古典劇の形式を取った脚本は台詞量も膨大なものだし、役者は台詞の多さと難解さに振り回されて全ての言葉を消化し切れないことも良くあるし、音楽的な節回しまで到達していない役者も多くいます。

それは観客も言葉が情報として入ってこなくて置いてけぼりになった感が起こることもある。

しかも多重構造の脚本って難しいしなあ。

(話はずれますが鳴島誠也くんのファンがたくさん客席に来てることになってるんですが、アイドルを観に来てるのに推しがずっとおじいちゃんで延々小難しい台詞ばっかり言ってたら眠たくもなるわな笑)

ジェシーくんは本来歌うのが本職だから良かったのかもしれません。

私は現時点では上手だと思いました。

いつかシェイクスピアも挑戦して欲しいけど、やっぱりミュージカル向きだと思います。

 

楽屋部分では登場人物それぞれ抱える事情を説明する台詞も多く出てくるので、話の展開がブツブツした印象もあったのですが、プロデューサー役の有川さんと女優役の水さんはさすがに上手ですね。あの短いやり取りの間に腐れ縁の2人の間に流れる歴史や感情の変化など、脚本の裏から読み取れる繊細なものを良く表現されているのが伝わってきました。

また、清水くるみさんも声の通りの良さも相まって説明っぽくならず、嫌みもなかったです。相変わらず可愛いw

そう言う部分はジェシーくんはまだまだですが、何しろ初めてのことでよく頑張ったと思います。

 

わたしは以前SixTONESのファンになった理由に、ルドルフの大我くんを除けばジェシーくんの存在を挙げましたが、その事はその場では詳しく書かなかった(もう疲れてた笑)

この機会に整理しておくんですが、お読みになった皆さんうすうす勘づいてると思いますが私は直感的な人間でファーストインプレッションに理由を後付けするタイプの人間です(知らん)

でも「この人はスターになる」と思って外れたことはあまりありません。

別に凄くも何ともなくて圧倒的にミーハーなんだと思います。

そして「アイドル(ていうかジャニーズって最早べつジャンル?)だからミュージカル俳優になれない」とも思っていません。

実際に大我くん以降、何人かジャニーズに在籍したままグランミュージカルに出ている人も何人か出てきました。(彼らは今はアイドルではなく本職の俳優を目指す人々ですが)

むしろミュージカル俳優がアイドルになるより無くはない気がします。

 

でも本職のミュージカル俳優になる必要もなく、大我くんがルドルフに抜擢されいわゆる「小池チルドレン」と認識され「ジャニーズとミュージカル俳優二本立てでやる」と決意表明している事は割と珍しいんことなんじゃないかと思います。

ジェシーくんは演技の仕事はやるにしても舞台に力を入れる気は全くなく、ミュージカルも選択肢にすら持っていないと感じましたし、ならば別に私が推しに頂くことはしなかったのですが、やらないだけで舞台での潜在能力は強く感じました。

大我くんはそれが出来る素質もやる気にも満ちていると思ったからこそ私のような門外漢でもアイドルとしての成長を含めて見届けようと想い至ったのですが、初めてグループを見た時、当時ハタチかそこらのジェシーくんを見て「ルドルフがもう一人おる」と気づいたのでした。

現実的にはジャニーズから同世代で何人も同役は出ませんでしょうから、あくまで概念としてのもう1人のルドルフ。もしジャニーズじゃなかったら確実にあり得たと思う。

やっぱり大手事務所って層が厚いなあ。そういう人たちが同じグループにいるってことが起こるのか

今までは違うジャンルで片付けられたものが、ナチュラルにこっちの世界も行ったり来たり出来る人材までいるのかと思ったりしました。

この10年ほどの間で韓国ミュージカル界はものすごい進化を遂げましたが、その一端にはKPOPアイドルでミュージカルも二刀流の人もずいぶん増えて、日本もいずれそうなっていって然るべきだなと感じました。

 

あるいはルドルフにならなかったとしても、トートを演じていた井上芳雄さんと城田優さんは同じ役を担いながら前者は絶対的プリンス、後者は言わば帝王の器である。

2人を当てはめるなら前者は大我くん、後者はジェシーくんとなる。

たまたまエリザベートの話をしましたが、本来持ってるタイプが違うので、別に作品や役柄は被りません。

いみじくもジェシーくんは優さんがトートを初めてやった年齢と同じ歳になりました。

どうしても11年前のあの日を思い出して溢れてしまいそうな気持ちを抑え込んでスタオベでカーテンコールを見送りました。

 

初めて見た時も優さんに似てるな、と思った事は認める。

顔や姿というよりも、オーラの強さや可能性の大きさが。

そしてこの舞台での佇まい、第一声のインパクトの強さ、城田トートを初めて観た時の衝撃と近いものを感じました。

ジェシーくんもまた紛れもなく舞台の世界でも未来の流れを変えられる逸材になっただろうと思います。

でももはや彼は城田優に似てる少年ではなくて、1人のエンターテイナーとして歩み始めた。

舞台を愛するものとしてこれっきりになるのは心から惜しいなって思うけれど、ジェシーくんはどの界隈でもスターと望まれる人材だと思う。

この舞台を通して、彼の未来予想図にミュージカルがある世界は付け加えられたのだろうか。

今の破竹の勢いが続けばミュージカルは仕事の1つとしてあるのはあるだろうけど、彼はその時に何者として向かい合うのだろう。

 

いつかもしもグランミュージカルにジェシーくんが出ることがあれば、一度でも観るチャンスがあればいいなって思います。

でも万が一そんなもん観たら私がヤバいことになりそうなんで、そんな日は来なくていいような気がする(笑)ヘタレか

 

ここまでお読み頂きありがとうございました!

 

 

追伸:カテコでジェシーくんがこの日から帝国劇場で樹くんが出演する「Dream  Boys」が幕が上がること、10月から大我くんの「ニュージーズ」も始まることご案内してました。ステキな気遣いでした。

 

追伸02:私は見かけていませんが、この公演にはA! groupの年下組が見学していた模様です(もしかしたら佐野くんもいたのかも笑)。この演目から何かを感じ取ってくれていたらいいですね。